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姑獲鳥

姑獲鳥
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送り火も終わって、夏も終わりに向かっています。
私がこの時期に描きたくなる妖怪といえば「うぶめ」です。
京極夏彦先生の著書『姑獲鳥の夏』と出会ったのが、
ちょうど夏の終わりでした。

「姑獲鳥」は「産女」とも書き、
お産で亡くなった女性の無念の概念だと言われています。
厳密には、「姑獲鳥」は赤ちゃんを攫う中国製の妖怪で、
「産女」は赤ちゃんを預ける日本製の妖怪です。
全く違う性質の持ち主なのに混同されるところには
何か意味があるのか、不思議な部分です。

資料には、「地獄」や「血だまり」といった酷い単語がちらほら。
お産の苦痛の内に亡くなられたのだから、そんな酷いイメージにせずに、
お産で亡くなった子供を拾い上げて救っているところ
ってことにしてあげれば良いのにと思ってしまいます。
だから、イラストは「鬼子母神」のような構図で描きました。

コウノトリが赤ちゃんを運んでくるなんて伝承もありますが、
女性と赤ちゃんの間には鳥を連想させる何かがあるのかもしれません。

京極堂シリーズの記念すべき第一作目である
京極夏彦先生の著書『姑獲鳥の夏』と出会ったのは
高校2年生の9月下旬。
友人に薦められて読み出したのが始まりです。
読み終わった瞬間のドキドキ感は忘れません。
それ以来、すっかり京極夏彦先生のファンです。


『姑獲鳥に出会うこと』

あまりの内容の濃さに集中してしまい、一日で読み終えました。
そして、興奮を抱えたまま眠りについたのです。
その夜、私は「姑獲鳥」に出会いました。

夏の暑さも弱まり夜風の涼しい夜。窓を開けて眠っていました。
真夜中ふと目を覚ますと、背後の窓から生暖かい風が
流れ込むのを感じました。
そして、誰かが背後に立っているような気がしたのです。

その瞬間、これは中禅寺氏の長い講釈の後、
関口氏が目眩坂を下ったときと同じ感覚だと思いました。
彼の量子力学の講釈が聞こえてきたのです。
「観測するまで世界は確率的にしか認識できないのだ。」と。
振り向いて確認しない限り、いるかいないかは1/2の確率。
結局確認しないまま眠ってしまったので、確率は変わらないまま。
だから、私はあのとき確かに「姑獲鳥」に出会ったと思っています。
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